玄界灘と限界オタ

インターネットで細々と生きています @toiharuka

行ってないけどEVOJAPAN2020のオフレポを書きました

EVOJAPAN2020、行ってきました〜!(行ってない)
いやもうね、会場が広いのなんのって!(行ってない)
現地でしか味わえないことも多かったのでつらつらと書き連ねていこうと思います。(行ってない)

夜行バスに揺られて、現地入りしたのは当日朝。
「じ、自動改札があるべさ〜〜ッ!」と未だに手動改札の富山県を憐れみつつ、電車の乗り換えに悪戦苦闘してなんとか最寄り駅に到着。

そこに待ち受けていたのは公式大会スマブラチャンピオンシップ初代王者のこんぶことBurned kelpだった。待ち合わせしていた僕を見るなり「オタクくんさぁ〜!?!?」と奇声を発したかと思うと、格闘Miiに変身し、交通量の多い駅前で縦横無尽に空Nを振り回し始めた!
騒ぎに駆け付けた警官らが彼を捕縛しようとするも、格闘Miiの恵まれた空中横移動と落下速度に翻弄され、掴みを透かしたところに上スマを喰らう始末。
しかしEVOJAPANの緊張からか、kelpの手元が狂って痛恨の復帰ミス。留置所に連れて行かれ、当然DQとなった。
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復帰ミスを悔やむツイート。悔しさがにじみ出ており、涙を誘う。

周りを見ても多くのプレイヤーが各々の得意技を振り回し、警官に捕縛されDQ確定となっていた。
やけにDQが多いのはそういうことだったのか。これがEVOJAPANの洗礼……現地入りしていなければ気づかなかったかもしれない。
僕は特に暴れなかったので捕縛されることもなく会場入りした。


軽くフリーをしたあと、予選開始。
一回戦の相手はChinese大湖選手で、非常に堅い立ち回りをするシークだった。針で500%まで溜められてタイムアップ。0-2で敗者側へ。
しかし僕のプールの他のプレイヤーは大湖選手以外全員DQしていたため、なんとか敗者側で通過。手強かった……。

明日への英気を養うため早めにホテルへ退散。
Chinese大湖選手との闘いで大きく消耗していた僕は、部屋に入るなりベッドに突っ伏した。

気がつくと午前5時。だいぶぐっすり寝たはずなのにやけに早い目覚めだな、と思いつつ、スマホを見ると日付は1/26(日)。う〜ん3日目。
どうやらChinese大湖選手の針待ちは僕の精神を予想以上に削り取っていたようだ。過ぎたものはしょうがないので三日目の観戦へGO!

会場に向かう途中で犬のうんこを踏むなどしていたため、着いたときには勝者側決勝。
カードはなんとChinese大湖選手vsしゅーとん選手で、針待ちを徹底したChinese大湖選手が1%も喰らうことなく3-0で勝利。観戦席は全員頭を抱え、解説の9Bさんは「そういえばこの間、神保町のカレーを食べに行ったんですよ」と悲壮な表情で間を凌いでいた。しゅーとん選手は号泣していたし、なまーたさんは失神していた。

そのとき、裏からすべてを見ていた桜井政博が登場!!!
「私はすべてを見ていました。【調整】の時間だ!」
彼が指を鳴らした瞬間、会場中のSwitchがけたたましくアラーム音を響かせる!!!Version 6.99への強制アップグレードである!!!
桜井政博が叫ぶ。「これが【パッチノート】だッ!!!!」
『シークの通常必殺技の射程を3cmにしました。』
会場に一気に熱が戻る。怒号のような叫び声と鳴り止まない手拍子で大地が揺れる。皆、期待していたのだ。血の煮えたぎるような試合を。

そして、コメ選手との劇的な敗者側決勝を勝ち抜いたしゅーとん選手が、Chinese大湖選手の前に立った。
自分のキャラクターが弱体化されたにも関わらず、Chinese大湖選手の表情には余裕があった。針に頼らなくてもしゅーとん選手を下す自信があるのだろう。接戦になるのは明らかだった。
これから始まるのは、殺し合いである。画面とコントローラーを通じているだけの、esportsとは名ばかりの、殺し合いである。
二人の間に流れるどろりとした空気が幕張メッセに広がり、一瞬、会場の誰もが静まり返った。
間髪いれず、カウントダウン。試合を見守る人間全員が腕を上げ、画面上の数字を数える。
3…2。1!
GO!!!!!!!!
闘いの火蓋が落とされた────────


決着は、劇的だった。
GF2、2-2、お互い1スト999.9%、どれか技が触れれば間違いなく撃墜する。間違いなく世界最高峰の刺し合いの中、残り5秒で、Chinese大湖選手のコントローラーが爆発。彼のあまりにも高い操作精度に耐えられず自壊したのは明らかだった。
それと同時にしゅーとん選手側のモニターも爆散。トッププレイヤーが極限の集中力で画面を見過ぎることによって、念能力が発動しモニターが自壊する現象である。あとから聞いた話だが、この現象がS tier大会で起きたのは、120年前のアテネオリンピック以来だという。
当然試合は続行不可能。二人は顔を合わせて、少し笑った。まさかの結末に対して笑みをこぼす二人の姿はまるで、ゲームを楽しむ無邪気な子供のようだった。

EVOJAPAN2020スマブラ部門、優勝者なし。引き分けに終わった二人を称えるように、桜井政博は両方の腕を掴んで持ち上げた。割れんばかりの拍手と歓声が、会場を包んでいた。そしてこれらは、すべて嘘である。

Fin.